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2021/12/10
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【静岡の茶草場農法】令和2年度「静岡の茶草場農法」知事顕彰(JA掛川市茶生産委員会東山支部)
静岡県では、世界農業遺産である茶草場農法を維持継承するとともに、その価値を高め茶草場農法の取組を拡大していくために、茶草場農法に係る他の模範となる優れた取組を顕彰しています。
今回は、令和2年度に「静岡の茶草場農法」知事顕彰を授与された方々をご紹介します。
JA掛川市茶生産委員会東山支部
(左から、川勝静岡県知事、東山支部長杉山様、久保田掛川市長)
お茶づくりについて詳しく教えてください。
茶草場農法の維持と生物多様性の保全
JA掛川市茶生産委員会東山支部は、生産者として農事組合法人山東茶業組合、農事組合法人東山茶業組合、富士東製茶農業協同組合、田中農園の4団体が所属しています。管理している全ての茶園に茶草を投入することを義務づけており、生産者同士で相互にチェックをすることにより、茶草場農法の維持に努めています。
また、「掛川市自然環境の保全に関する条例」に基づき、「指定希少野生動植物種東山保護地区協定」を掛川市と締結しています。地域全体で、希少な動植物が生育できる自然環境の保護に取組んでいます。
高品質なお茶づくり
全国茶品評会(深蒸し煎茶の部)では、同支部に所属する生産者が例年上位を獲得しております。掛川市は全国最多の産地賞を受賞しており、その功績にも貢献しています。
4団体全てが茶草場農法を実践しており、品評会で高く評価いただいていることは、茶草場農法が高品質なお茶づくりに繋がっていることを証明できていると考えています。
地域をあげての取組
生物多様性条約第10回締結国会議(COP10)において、東山地区で実践されている農法は「里山の草地が守られている貴重な事例」として評価を受けました。
そして、COP10で発足した「SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ」の国内唯一の視察地として東山地区が採草地として選定されました。
このように、茶草場農法の中心地である東山地区は、世界農業遺産の認定に向け地域を上げて様々な取り組みを行ってきました。
そして、認定後も、茶草場農法を実践する象徴的な地域として、視察や観光案内にも力を入れています。
日本国内だけでなく、アメリカ・台湾・欧州・アジア各国からの訪問を受け入れているほか、県内のテレビ番組などの取材に対応するなど、茶草場農法の認知度向上に努めています。
また、茶草場農法は実践者の高齢化に伴い、年々作業負担が大きくなっている農法ですが、企業における社会貢献活動の一環として、作業応援ボランティアの受入を積極的に行っています。これにより、作業負担の軽減や、農法の維持に繋がっていると考えられます。
景観保全活動
東山地区にそびえる粟ヶ岳には、地域住民が檜を植栽して形作った、巨大な「茶」の文字がシンボルとして存在しています。縦横約130mもの大きさがあり、「茶生産により生きていく」という強い意志を表したものです。急傾斜地のため、重労働かつ危険を伴う作業ではありますが、地域住民が草を刈り、茶草場及び茶文字の景観の維持のために尽力しています。
情報発信
国際的なお茶とコーヒーのビジネス情報誌「STIR誌」に取り上げられて以降、各国のインフルエンサーの協力によりSNSなどで広く知られるようになりました。中でも、イギリスを代表する紅茶専門家Jane Pettigrew氏の集大成となる著書「World of tea」では、京都や鹿児島などが掲載される中、東山地域及び生産者の写真とともに掛川茶の紹介記事が掲載され、海外から一層注目を集めています。
知事顕彰を授与されていかがでしたか。
代々引き継がれてきた農法がこのような形で称えられることは光栄です。
今後の展望などを教えてください。
厳しい茶業情勢ではありますが、良質な茶生産はもとより、生物多様性保全や地域の自然環境を守るために、茶草場農法を未来に継承していけるよう努力していきたいと思います。
お茶に親しむみなさまへ伝えたいことはありますか。
今でこそ世間で注目されるようになったSDGsの取り組みですが、私たちはそれを茶草場農法という形で150年以上も前から実践してきました。茶草場農法と、それによって生産されたお茶の価値が一般消費者の皆様に伝わり、持続可能な茶業へ発展するよう、これからもお茶に親しむライフスタイルを送っていってください。
関連リンク
世界農業遺産「静岡の茶草場農法」推進協議会ホームページ
https://www.chagusaba.jp/
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