令和2年度「静岡の茶草場農法」知事顕彰(丸五倉沢園 堀 延弘様)

令和2年度「静岡の茶草場農法」知事顕彰(丸五倉沢園 堀 延弘様)

2021/12/17味わう||買う

静岡県では、世界農業遺産である茶草場農法を維持継承するとともに、その価値を高め茶草場農法の取組を拡大していくために、茶草場農法に係る他の模範となる優れた取組を顕彰しています。

今回は、令和2年度に「静岡の茶草場農法」知事顕彰を授与された方々をご紹介します。

丸五倉沢園 堀 延弘様(菊川市)

(左から、川勝静岡県知事、堀様、長谷川菊川市長)

お茶づくりについて詳しく教えてください。

生物のすみかを守る

秋から冬にかけて毎年茶草を刈り取り、茶草場の丁寧な維持・管理によって多くの生物のすみかを守っています。

フジタイゲキやキキョウなどの貴重な植物がある箇所について借受けることや、茶草場によって異なる植生の動植物の写真を記録すること、またカヤネズミの脅威となるイノシシノの個体数を減らすための罠の設置など、保全のための取組は多岐にわたります。

高品質なお茶づくり

刈り取った茶草はかっぽしで乾燥させます。裁断した後、茶園の土壌に合わせて茶草の種類や量を変えて投入しています。

生産している深蒸し茶については、一番茶前の農薬散布を行わないことにより、安心安全なお茶をお届けできるよう努めています。また、長女とともに、茶草場農法の無農薬の和紅茶作りなど、環境への配慮や消費者の好みに合わせたお茶づくりを行っています。

次世代への継承、認知度向上のための取組

2013年に世界農業遺産「静岡の茶草場農法」の認定実践者となったことにより、自販は順調に伸びており、安定した経営に繋がっています。

日本茶インストラクターの資格をもつ長女が講師を務める和紅茶づくり体験(写真左)では、茶草場農法で生産した無農薬茶葉を使用し、年3回実施しています。また、茶草場農法のお茶を使った「お茶の淹れ方教室」(写真右)も開催しています。参加者の方々からは、「和紅茶づくりでは色や香りの変化が楽しめオンリーワンの和紅茶を作れたことが嬉しかった。」「お茶の淹れ方教室ではお湯の温度で変わるお茶の味に驚いた。これからは自分好みの温度でお茶を楽しみたい。」など、ご好評をいただいています。

また、理事・事務局長を務めているNPO法人「せんがまち棚田倶楽部」の棚田保全活動では、棚田と隣接する茶草場の深い関係について多くの方に知ってもらうために、様々な機会を設けています。茶草場に生息し棚田で産卵するニホンアカガエルの保護活動では、10年以上にわたり継続しており、産卵の始まる1月から3月の産卵まで毎日観察を行っています。ホームページとFacebookで公募した一般の方に参加いただく観察会も開催しており、棚田と茶草場の関係や茶草場農法についての認知度向上に取り組んでいます。

その他の取組として、毎年11月に開催している世界農業遺産「静岡の茶草場農法」体験会では、自身が講師となり茶草場農法の解説や茶草を刈り取る体験の指導を行っています。中でも、カヤネズミの巣を探す活動では、子どもたちが楽しく参加することができ、茶草場農法や生物多様性の保全について次世代に繋げていくための良い機会となっています。

その他、力を入れている取組

NPO法人「せんがまち棚田倶楽部」の棚田保全活動のひとつとして、菊川市の小中学校での出前授業や体験学習を毎年行っています。児童生徒が茶草場農法や生態系について考えるきっかけとなることを願って、日頃の取組についてのお話しています。
その他、ラジオリポーターとしての広報活動や、大学や研究機関の調査研究フィールドとして茶園と茶草場を提供しています。

知事顕彰を授与されていかがでしたか。

我が家の新茶パンフレットに知事顕彰の授与されたことを掲載したところ、お客様からお祝いの言葉を多く頂戴し、新たなお客様も増えています。

今後の展望などを教えてください。

コロナ禍で直接来て頂くイベントが減ってしまいましたが、市や企業のプロデュースしたZoomを使ったオンラインイベントで「静岡の茶草場農法」のお話を私がして、娘が「お茶の淹れ方教室」を予め送付したお茶を使って画面上で実演する茶草場オンラインプログラムを8月までに計4回実施し好評でした。
今後の展開として和紅茶用の冷凍茶葉を送ってオンライン和紅茶づくりの開催など、多くの皆さんと繋がるイベントを開催していきたいと思います。

お茶に親しむみなさまへ伝えたいことはありますか。

 人間が関わることで、守られる生き物がいる。人間も生態系の一部として暮らしていく文化を伝えたい!
皆さんも生き物のことや、普段食すもの・使うものが、どこでどのように作られたのか、関心を持ってみませんか?その中で、茶草場農法で育てられたお茶を選んで頂ければ、お茶農家が茶草場と棚田を守り、ここで生きる動植物を守っていくとても大きな力となります!

関連リンク

世界農業遺産「静岡の茶草場農法」推進協議会ホームページ
 
https://www.chagusaba.jp/  

倉沢園ホームページ
 
https://www.kurasawaen.com

堀延弘様 Facebookページ
 
https://www.facebook.com/nobuhiro.hori/