2021年O-CHAパイオニア賞CHAllenge賞受賞(鷲巣 恭一郎様)

2021年O-CHAパイオニア賞CHAllenge賞受賞(鷲巣 恭一郎様)

2021/11/26学ぶ||買う

公益財団法人世界緑茶協会では、茶に関する学術研究や茶の振興に寄与した産業技術、緑茶のある豊かな生活文化の提案など、優れた成果を顕彰しています。

O-CHAパイオニア賞は、茶に係る優れた学術研究成果「学術研究大賞」、茶の生産や消費に関する優れた技術や商品等の開発「産業技術・商品開発大賞」、茶の文化及び芸術に関する優れた成果「文化・芸術大賞」、茶に関する国際的な貢献や日本茶の普及等に係る優れた成果「O-CHA特別大賞」の4つの大賞と、茶の将来を牽引するような意欲的な取組「CHAllenge賞」からなります。

今回は、2021年にO-CHAパイオニア賞を受賞された方々をご紹介いたします。

静岡のお茶と伝統工芸(駿河和染)の融合による新しいお茶染め産業の創出

鷲巣 恭一郎様 (お茶染めWashizu./代表)

取組について詳しく教えてください。

伝統工芸と産業の融合

静岡の伝統工芸「駿河和染」の染色技術と静岡の資源「茶産業」を掛け合わせ、新しいファッション・ファブリック産業を創出しました。お茶産業の持つ資源をフル活用して伝統の染色技術をレシピ化し多くの方々へ伝えていきます。
さらに、あらゆる分野の企業とのコラボレーションにより生地を提供したり、染めた生地をファッションアイテムに仕立て、商品の販売を行っています。

お茶染めとは

お茶を製品化する過程で出てしまう「売り物にならず廃棄されてしまう茶葉」を染料に使用しています。お茶をじっくり煮出して「染め液」を抽出します。煮出した茶殻は堆肥に加工し、畑へと循環させて行きます。

理念

元々ある地域資源に目を向け、それをフル活用することで、リスクを抑えた新しい産業のあり方を提案してきました。「お茶」は飲むだけでなく、静岡最大の資源と捉え、そこに人の知恵と技術が加わり、新しい価値やお茶染め産業が創出されるのだと思います。
また、一人ではなくみんなで考え、工夫し、改善し、教え合うことを通して、文化や技術が進歩し発展していくものと捉えており、知恵と技術の結晶がこのお茶染めだと考えています。

また、服を染め直すことで長く愛用してほしいとの願いから、染め重ねるたびに価値が高まる「経年優化」の考えを推進しています。

静岡最大の資源「お茶」の可能性と伝統工芸の「技術」とその継承、それを応援してくれる「人」のすべてがそろったこの静岡の地で、新しい「文化」の創出に尽力しています。

廃棄される部分の茶葉で染めることが「お茶染め」の取り組みではなく、多くの方々と関わり知識を共有することで進歩・発展していくもの、ものづくりの仕組みが循環していくものが本取り組みです。

パイオニア賞を受賞されていかがでしたか。

伝統産業やクラフトの業界ではなくお茶産業から本取組が評価を頂けたことが、何よりも嬉しく思います。一人の職人としてお茶染めの第一歩を踏み出して以来、自らのメリット以外にお茶業界への還元というテーマがずっと頭の中にありました。それが出来なければ、本取組も絵に描いた餅で終わるだろうという不安の中、多くの方々に共感とご協力をいただき今回の受賞に至ったことは本当に励みになり勇気をいただくことが出来ました。ありがとうございます。

今後の展望などを教えてください。

廃棄されるものに目を向け、人の知恵と技術で付加価値を与える。このコンセプトは今後も変わることはありません。お茶染めをきっかけに染料という活用法以外に経済的に稼働していない畑(放棄茶園)に対し、いかに付加価値を付けることが出来るのか。それこそが本取組の本丸であると考えています。
多くの方々と協力し組織をつくり、本取組が大きな流れになっていくことを心から願っています。

お茶に親しむみなさまへ伝えたいことはありますか。

 お茶は静岡に住む我々にとってあまりにも当たり前の存在ですが、広大に広がる美しい茶園を見渡す時には、毎回感動を覚えます。長い時間と労力を注いで管理されてきた茶園は先人たちからいただいた素晴らしい財産です。もしも新規に作物を同規模で作付けしようと考えたら、どれほどの時間とコストが掛かるのか・・。

そんな我々にとって大きな財産であるお茶に新たな価値を付けて行きます。

飲むだけではないお茶の魅力を楽しみにしていてください。

関連リンク

(公財)世界緑茶協会ホームページ https://www.o-cha.net/ 

お茶染め「Washizu.」ホームページ https://www.ochazome-shizuoka-japan.com/