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世界お茶まつり大会が、21世紀の暮らしと健康のために「お茶・新たな可能性への挑戦」をテーマに、本日から4日間にわたり、お茶の産地として、日本一と自他ともに認める静岡県において、開催されますことは、誠にうれしく喜びに堪えません。
私とお茶とのかかわりは、それほど多くはありませんが、33年前、紅茶の本場、英国牛津(オックスフォード)大学に留学の折、我が国の文化であるところの茶の作法を知っておくべきとの母の意向で、一年間、茶道を学び、彼の地で、様々な折に、ミニ茶事を催して日本文化の普及に努めたことと、毎週の論文提出の前夜、緑茶を濃茶にして、目覚まし薬にして常用していたことを思い出します。帰国したあとも、英国大使御夫妻が、離任されるたびに、フェアウェルパーティとして、お茶事にお招きすることが、慣例でありました。余談ですが、大使御夫妻を正客、次客に見立て、お二方のお茶をたてるために、私が亭主を務めるわけですが、お二方分約30分間が、私の正座の限界であり、後は、師匠にお任せしたものでありました。
11年前、父の代理で、初めてトルコ共和国を訪問し、日土修好100周年記念式典に出席するため、アンカラ空港に降り立ち、空港での関係行事の折、チャイと呼ばれる、トルコ風紅茶を供され、以後10日間の旅の至るところで、チャイの素晴らしさを堪能することになりました。
我が国では、どの地方に行っても、お茶とお菓子が、お客様に供されますが、トルコ共和国においての、チャイもまた、その地方ごとに、味と香りが微妙に異なり、地域ごとの文化と習慣の違いを発見することができました。
日本、英国、トルコのみならず、お茶を常用する国は、世界中の至るところに存在し、各々のお国ぶりにて、お茶を楽しんでいる事実は、誠にうれしい限りであります。
このような現状に鑑み、静岡県が、地方の時代と言われる今、お茶に関する学術研究、情報収集、産業育成を基本とする、世界緑茶協会の発足を、他に先駆けて計画されましたことは、誠に時宜にかなったことであります。
お茶の産地、静岡県が、世界お茶まつり大会と、世界緑茶協会を通じて、お茶を手段として、世界中の、お茶にかかわる人々との友好親善関係を構築されるとすれば、我が国の国際貢献の歴史に新しい一ページを記すことになります。
本大会の成功と、発足したばかりの世界緑茶協会の発展を心から祈りつつ私ごあいさつといたします。
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